「価値ある建築を設計する」ことで、「社会に貢献」 - 株式会社みのだ設計

取材日2021/12/20 取材者総務部企画情報課 堂満

海の幸・山の幸に恵まれた鹿児島・宮崎を中心に設計活動。自然豊かな環境に素直に向き合い、南の大地と光と風を建築に紡ぐ。

令和3年に竣工した当協会の新事務所設計を担当。「まちなかのやわらかな公共性」を目指して設計されたオフィスは、好評を博している。

取締役 蓑田 朋章
住所 鹿児島県鹿児島市武岡三丁目7番地の5
TEL 099-281-4883
事業 建築設計・管理・改修
HP https://minoda-sekkei.jp/

主な事業内容を教えてください。

公共・民間建築の設計監理です。公共は、入札案件を主とし、プロポーザルで受託した庁舎も進行中です。民間は、医療系が多く、オフィス、その他学校・幼稚園・商業施設等もあります。

(写真:Honda cards 鹿児島北隼人店)

今後どのような会社にしたいですか。

価値ある建築を設計することで、社会に貢献できる会社を目指しています。社員が能動的かつ自由闊達に行動し、設計に没頭できる環境をつくりたいと思っています。

(写真:西側より新事務所を見る)

当協会新事務所のコンセプトを教えてください。

  プロポーサルから一貫して考えてきたことは、やわらかな公共性をもつ建築をつくることです。それは、シュッとした屋根のシルエットや、シャラシャラ(注:各階層の奥行きを感じられるというような意)とした外装など、詳細まではっきり分からなくとも大きなくくりで認知されることです。中小企業者にとって敷居の低い存在、まちゆく住民にとってカジュアルに映る存在を目指すことで、信用保証協会が、地元密着を標榜して中小企業者をサポートし、そして、雑多なまちなかに少しの変化を与えることができるのではないかと思いました。

 建物の外装は横連窓+ルーバーの形式としました。少し目深なルーバーが熱環境・周辺環境へ配慮できる解としてフィットすると思いました。窓以外のルーバーや壁面部分を艶やかな塗装で仕上げ、ワンシルエットに見える建築へ寄せています。

 1階エントランスは、北側全面道路から奥川へ向かって傾斜をとり、床高さを上げることで、水害時の被害を最小限に抑えようとしています。2~5階の執務室は、オープンなワンルームの一部を職員専用のオープンラウンジとし、相互に階段でつなぐ構成とすることで一体感を出そうと試みています。それらは全面道路側へ向いており、職員の働く姿をルーバーから垣間見ることができます。初めから使い方を限定せずに、利用するにつれてしっくりくる使い方をみつけていけばよく、その姿が信用保証協会らしい働き方としてまちなみに染み出ていくことを大いに期待します。

 地方都市において自社オフィスを建てる意義は、業務上の機能面を補完することにプラスして、近隣住民やコンパクトなコミュニティとの繋がりを良い方向へ見直す機会にあると思っています。信用保証協会のイメージは、少々堅く保守的に受け取られるものの、「シュッとしてシャラシャラな建物」の会社として、ざっくりと鹿児島県民に認知され、やがてそのやわらかな公共性が中小企業者や近隣住民の愛着へと繋がってほしいと思っています。   

(写真:夜の新事務所)