歴史や伝統を誇りながら、新しいことにチャレンジ - 株式会社下園薩男商店

取材日2022/05/16 取材者堂満 典子

鹿児島の北西部、海に面した阿久根にて、昭和14年からウルメイワシ丸干しを主に取り扱う、老舗の塩干水産物加工販売会社。

2013年に販売を開始した瓶詰常温商品「旅する丸干し」が農林水産祭にて天皇杯を受賞する等、数々の名品を開発し支持を得ています。

2017年にオープンした「イワシビル」では、ショップ・カフェ・丸干しのオイル漬け等の工場・ホステル(簡易宿泊施設)という珍しい形態にてビルを運営中です。

三代目が中心となって、常に新しいことに挑戦し続けている「株式会社下園薩男商店」のご紹介です。

 

代表取締役社長 下園 正博
住所 鹿児島県阿久根市鶴見町76番地(イワシビル)
TEL 0996-73-3104
事業 水産物加工販売業、地域商品の企画・運営・仕入れ・販売
HP https://www.marusatsu.jp

会社のモットーや事業内容を教えてください。

 「今あるコトに一手間加え、それを誇り楽しみ、人生を豊かにする」をモットーに、歴史や伝統を誇りながら、新しいことにチャレンジしています。

 主な事業内容は塩干水産物の加工販売とイワシビルの運営を行っています。

イワシビルは「2021年度ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」のコト部門で最高賞の地方創生大賞に輝かれました。大賞を受賞したイワシビルの取り組みについて教えてください。

 イワシビル(阿久根市)は先代が購入した3階建ビルをリノベーションして2017年に開業しました。

 1階の直売所では、2階の工場で製造したイワシのオイル漬け「旅する丸干し」など自社製品や県内産商品を並べ、カフェも併設しています。3階は、知人のアドバイスもありホステル(簡易宿泊所)としました。ホステルも阿久根に全国から旅人が集まってくる拠点となっています。

 自社製品の商品化では、若いスタッフのアイデアを積極的に取り入れており、スタッフのヤル気や考えを尊重し、活躍する場を提供することで、仕事に誇りをもって働ける職場環境を目指しています。

 このような取組みに賛同してくれた若い世代が県内各地からスタッフとして集まっております。

 「ふるさと名産オブ・ザ・イヤー」ではこういった「地元名産品を軸に、若者にも受け入れられるような施策を融合させ、そこでしか体験できない価値を提供している」点が評価され大賞に選ばれました。

今後の展開は?どういう会社にしていきたいですか?

 今年の夏頃に、地元の魅力を伝えるイワシビルのような取組みを、枕崎で開始する予定です。

 枕崎の人里離れた場所にある郵便局跡地にて、南薩摩のこだわりを詰め込んだピクルスを製造し販売します。この場所でもカフェや工場、宿泊施設を併設する予定です。

 阿久根に加え、枕崎での試みが成功すれば、地方都市でも事業が成り立つモデルとなると考えております。日本全国どんな地域でも、その地域の特産品を使って、新しく開発・製造した商品を販売していけると考えております。

 将来的には、元気を無くした地域を盛り上げ、地元に誇りを持てる環境作りのお手伝いをしていきたいです。

 また、本業である水産物の加工については業界的にも働く人口が減って来ています。今後は工場で働く楽しさを感じられるような仕組み作りや情報発信を行うことにも力を入れて、働く人口を増やしていきたいと思っています。